リー・エンフィールド・ライフル

第1次大戦で使われたライフルは非常に危険である。理由は二重だ。第一にこれらのライフルは人間の殺傷用以外役に立たない。動物などに対しては必ずもっと有用な狩猟用のライフルが存在する。第2は、第2次大戦後の自動小銃は連発を目的としており、連発とするならば適当な射撃場以外で使用することに困難を感じるだろう。また実際使用すれば銃身の過熱・銃身の振れなどにより保持が簡単ではないと感じる。ところが第1次大戦のライフルはいわば手になじむ。このため世界各国でこのタイプの銃の使用による事故が絶えない。

もし合法的にまたは非合法に入手した場合、過度の愛着が不測の事態を招いていることを銘記して欲しい。

この銃はジェイムス・パリス・リー(James Paris Lee)によって発明された。リーは1804年生まれのスコットランド人で、子供の頃宝石研磨職人の父に連れられてカナダに移住した。1850年46歳の頃銃砲店を経営するようになり、1862年最初の遊底(尾栓・発火装置・薬莢除去装置からなる)付きの単発の小銃を発明した。このライフルはアメリカ海軍で採用されたが、口径で誤解が生じ契約はキャンセル多大の損害を蒙って店は倒産した。

その後1878年、10発入りの取り外し可能の弾倉を組み込んだ本格的小銃を発明した。この発明は画期的で、当初から20秒間に10発を発射することができた。数万丁をアメリカ海軍が購入した。一方英国政府は特許権を5万ポンドと1弾倉50セント支払いで購入した。

このライフルは更に兵器廠技師のウィリアム・メティス・メトフォードにより施条と突起付き弾丸の工夫が加えられ、陸軍小火器工廠(ロンドンの南西エンフィールドにあった)で1888年より大量生産されることになった。

この小銃の特徴としてボルトが後方にあり、素早いボルト移動を可能にしたことがあげられる。ただボルト位置が目に近い事は狙いを付ける際に心理的圧迫を加え、命中率を落とす欠陥が生じる。ただこれは兵士によって差がある。反面モーゼルなど他の小銃に比べボルト移動距離が小さくまた軽く、速射には有利だった。また弾倉が長く、10発の装填が可能だが突起付き弾丸でないと注意しないと中でジャムを引き起こす。

この二つの欠点を直すため、5発入り弾倉・ボルトを中間位置に修正するなどのバージョンも出されたが、これは一長一短でなんとも言えない。またストック(銃床)が2枚組みのため製造工程簡略化のため1枚のものに修正された。イギリス軍は第2次大戦ではこれを使用した。

リーエンフィールド・ライフルは1948年、英国陸軍が自動小銃を制式銃とするまで60年間イギリス歩兵の主要武器であり続けた。NATOはこのライフルの小口径版を狙撃銃として現在も採用している。

これまでに生産された数は延べ800万丁を越える。


第1次大戦で使用された銃剣

銃剣


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